「過去自慢」という言葉はご存知ですか?
「老人は過去を語り、若者は未来を語る」という言葉もありますが、年を重ねるうちに、自慢話をされる方がなぜか多くなりますよね~
まあ、たまにお会いする方ならともかく、職場などで毎日一緒。
しかも席が近くで逃げ場もない状態で、過去自慢をされる・・もう、うんざりですよね。
私も会社に勤めていた頃、部署の歓送迎会や忘年会など、飲み会の時に上司にお酒を注ぎにいくと酔いも手伝って過去自慢が始まり、正座した足がしびれ泣きたくなったことも。
といって、飲み会の上司へのお酌も業務の内ですし(苦笑)
そんな私ですが、自分も年を重ね過去自慢への対処法がわかってきました。
過去自慢への対策を考えるなら、まず、自慢の種類からどういう心理状況なのかを知り、それに合わせた対処法を心得ておくことが大切。
会社や地域コミュニティで過去自慢にお悩みのあなた、必見の対処法を伝授しましょう!
高学歴・会社や地位・受賞歴などの過去自慢には褒め殺し
過去の自分の学歴、勤務していた会社の格式や、会社内での地位を自慢するものや、業務上もしくは特技での受賞歴を自慢するもの。
こういった過去の栄光を自慢するのはオーソドックスですよね~
この手の自慢話をされる方は、むろん、高学歴で社会的に成功を収められた方。
相手より自分の方が優れていることを証明して優位に立ちたい、尊敬のまなざしで見られたいという心理が働いています。
それと同時に今現在の自分の立場に不満があり、より高い評価を得たいという欲求が顕れているんですね。
この手の過去自慢には心理状況からも、私の経験からも褒め殺しが有効。
当人の承認欲求(認めてもらいたい気持ち)を満たしてあげれば良いのです。
「おお!」・「さすが」・「すごい」という感嘆で尊敬の念を示しましょう。
因に何度も同じ話を聞かされる場合には、
「△△だそうですね、さすが○○さんです」とか、
「社内の他の方からも伺いましたが、すごい経歴をお持ちですね」
と、以前にも伺いましたサインを出せば、頭脳明晰な方はピンとくるので短く済みます(笑)
過去の財産自慢に今との比較や同情は禁物!
自分の財産を整理してから入居することが多い、老人施設などで事例が多いのですが、過去に豪邸に居住していたとか、海外に別荘があったとか、贅沢な暮らしぶりであったというような過去に所有していた財産自慢。
このタイプの方は、今現在の自分の処遇に不満がある上に、自分の内面に価値を見出せず自信を失っていることから、目に見える価値である財産を所有していたと自慢することで、プライドを保とうとしているのです。
こういう方へは、自尊心をくすぐるような相槌を打つことが有効で、今と比較して凋落ぶりを指摘したり、同情したりすることは禁物。
「仔細は存じませんでしたが、普通の方とはどこか違うと」
「ほお~そうでしたか、○○にお住まいでしたとはすごいですね」
本人を良い気分にさせてあげると、このタイプは比較的話は短いです。
精神的・肉体的な苦労自慢には共感・同情・労いの言葉を
「苦労が自慢?」と疑問に思われる方もいるかと思いますが、
「苦労したけれど頑張った自分は偉い」
「苦労させられた私は自分の努力で成功をつかんだ」
というように、自分の努力、頑張りを自慢したいという趣旨の話は自慢に分類されます。
「苦労はしたけれど、他者の援助協力のお蔭さまで立て直した」
という苦労話とは聞き手の受け取る印象も違いますよね。
まして、苦労自慢の後に
「今の若い奴らは苦労が足りない」
などと謎のお説教がプラスされると、逃げ出したくなります・・
このタイプの方は年を重ねるにつれ、自分の過去の人生を振り返るだけの余裕ができ、若い頃苦労した自分に対し、同情してもらったり、褒めてもらったりすることで良い気分になりたい、認めてもらいたいという心理がマックス。
この種の自慢には同情と共感の姿勢が大切。
「それはご苦労なさいましたね」
「○○があっても頑張ってお年を重ねてこられたのですね」
など、共感し労うことで心が満たされます。
「私だってそれなりの苦労はしている!」
といった反論は火に油を注ぎ、お説教が長くなりますから要注意。
過去の病気自慢、やんちゃ自慢にはオウム返しが有効
「自分はこんな病気をした」
「子供の頃、こんな悪さをした」
などと苦労自慢とは一線を画す、過去の病弱さや違法行為を自慢する方がいるんですよね。
自分の病気や悪さなど、過去の負の部分を自慢される方は、標準的な暮らしをしてこられた方からも聞かれる自慢話です。
また、身内同士でお互いの身代は承知していて、それに対する自慢はできないけど、何か自慢することで、同情を集めたいとか、相手の関心を買いたいという思いに駆られた時に出てくるものです。
「○○に罹られたとは大変でしたね~でも今はお元気そう」
「○○とはまた、やんちゃされましたね~今のお姿からは想像もできません」
とオウム返しすることで、ちゃんと聞いていることをアピールし、関心を寄せていることを示したうえで、現在と結びつけて相手の良い面も見ていると印象づけましょう。
これだけで結構満足して笑顔になります。
過去自慢する人の共通心理と共通の対処法は笑顔
どの過去自慢する人にも共通していることは、今の生活にどこか満たされない思いを抱えているということ。
それが、金銭的なことなのか、身体的なことなのか、精神的なことなのかを別にしても、今が充実してさえいれば過去に執着し、自慢することもありませんね。
ですから、自慢話をする方の現状への不満も含め、大きな気持ちで受容して、笑顔で傾聴し相槌を打つだけで、相手は自分を認めてくれたのだと安心して話を切り上げてくれます。
それでも、「もう耳にタコ」状態で我慢できないなら、相手と距離を置くのもアリ。
時間や予定に追われているふりをしてその場を離れたり、聞いているふりで相槌を打ち、少し相手の欲求が満たされた頃合いで、突然思い出したかのように話題をかえたり。
もちろん、過去自慢とはいえ、自分の将来に役立つノウハウや教訓が含まれている可能性がありますから、きちんと傾聴することも大切ですし、年配者の属性のひとつと割り切って対応してあげることが一番ではありますが、精神的に辛いようなら、相手との関係性も含め柔軟に見直すべきでしょう。
過去自慢の対処法のまとめ
ちょっと難しいようですが、やってみると簡単なことばかり。
1.高学歴・会社や地位・受賞歴などの過去自慢には褒め殺し
2.過去の財産自慢に今との比較や同情は禁物!
3.若い頃の精神的・肉体的な苦労自慢には共感・同情・労いの言葉
4.過去の病気自慢、やんちゃ自慢にはオウム返しが効果的
5.過去自慢する人の共通心理と共通の対処法は笑顔
ちなみに私は地域コミュニティの場で話される過去自慢は笑顔と適当な相槌でスルー。
対処法を実践して、上手に過去自慢を乗り切っていきましょう。