日本語には同音異義語や、同音異義語ではないにしても発音がよく似た言葉もたくさんあります。また同じ意味として日常的に使っていても、まったく違う意味の単語もあります。これらの単語の使い方を間違えると大変なことになることがありますよ。ビジネスマンはもちろん、ビジネスとは縁のないの人も注意するに越したことはないですよ。
「送達」と「送付」はヤバイかそうでないか?
送付は、一般的に日常使っている言葉ですね。「品物や手紙、手紙などを送り届ける」という意味します。
「送」はもちろん「送る」です。「付」は「あたえること」「わたすこと」「たのむこと」です。ビジネスシーンで使われますが、少しかたい印象がありますので、日常的には「送る」とうのが一般的です。
「送付」と似た言葉に「送達」があります。「送達」も「送り届ける」という「送付」と同様の意味です。ただし特に民事訴訟において「送達」は「当事者その他訴訟関係人に対して、訴訟上の書類の内容を了知(了承)させるために、法定の方式にしたがって書類を交付し、または交付を受ける機会を与える裁判所の訴訟行為」です。つまり、相手方にきちんと書類を届けること、そのために裁判所の行う“厳格”な手続き」です。例えば裁判が始まるときの「訴状」は、被告に対して送達されます。
「交付」とは一定の手続きを踏んだ人に金銭や書類を渡すこと
「交付」とは、役所や機関などが、一定の手続きをふんだ人に金銭を供与したり書類などを発行したりすることです。
「運転免許証」は交付されますね。その他交付されるものとして「健康保険証」「身体障害者手帳」「精神障害者手帳」「介護保険被保険者証」、大学などで学生に「学生証」や「学割証」が交付されます。また、地方自治体に国から財政援助などが目的の「交付金」が交付されています。
「公布」とは同音異義語ですが、「公布」があります。これは、成立した法令の内容を広く一般に周知させるために公示するおこないのことです。
「発行」はどうでしょう。「発行」は、図書、新聞、雑誌などを印刷、出版して世に広めることです。紙幣や証明書、定期券、入場券も同じく発行します。その意味するところは、作って、その作った物を世にだすという二つの行為があるようです。
ほんとうに日本語はむずかしいですね。
「郵送」日本郵便だけの用語です
「郵送」とは、日本郵便(日本郵便株式会社)を使って送りたいものを送ることを意味しています。ですから、宅配便は郵送とは言いません。
ところで郵便という単語は和製漢語です。「郵」は、伝令の中継をするための頓所や、飛脚の中継をする宿場を意味します。「便」は、「便り」や「手紙」の意味があり、「郵」と「便」の二文字を合わせて「郵便」と名付けられました。明治4年(1871年)のことです。
ところが、各所に設けられた郵便ポスト(木製)なのですが、庶民は初めて見るポストに書かれた「郵便」の字を“たれべん”と読んでまったため、公衆便所と間違えられ、実際に用を足されてしまったという笑い話のような実話があります。
よく似た言葉で「発送」があります。「郵送」は日本郵便で送ることですが、「発送」は、郵便でも宅配でも使える言葉で、差出人が窓口やポストに投函する行為を言います。
まとめ
- 「送付」と「送達」は、ほぼ同じ意味で使っているようだが、実はまったく異なっている。「送達」は民事訴訟関係の書類を送る際の法律用語
- 交付は、役所や機関が金銭を供与したり、書類などを発行すること。よく似た言葉に「公布」や「発行」がある
- 郵送は日本郵便のみが扱う手紙や荷物を送ること。「郵便」郵便制度が始まった時の和製漢語