“リストラ”=“首になること”と思っている人も多いですが、本来はそれだけの意味ではないのです。
私はもともと一般企業に勤めていたのですが、そこでもリストラはありました。繰り返すようですが“首になること”ではないですよ!良い会社に入れば、安心してずっとその会社で働くことが出来て、転勤もなくて、給料も良くて、なんてことを思う人もいるかもしれませんが、そんなことはないです。例えば良い会社であってもリストラはしています。
会社を存続させるため、成長させるためにはリストラは行われます。
その中で極端に経営不振になって、強制的に仕事を辞めさせられた例が目立っていて今のリストラのイメージに定着しています。
今日はリストラがどういう意味なのかをわかって頂き、子供でも口にするリストラという言葉にについて理解を深めて頂ければ幸いです。
リストラの意味は「再構築」
何かにつけて悪い言葉で使われるリストラという言葉。
実際には英語のRestructuring(リストラクチャリング)の略語で再構築という意味があります。そう考えるとドラマで見るような「君は今日でリストラだ!」というシーンは何とも日本人のアレンジが加わっていますよね。
では会社を再構築しなくてはならない状態を考えてみましょう。
ほとんどは経営不振から脱却しなくてはならない時ですが、最近では効率化を図った機械導入や、事業拡大による人員配置の見直しなど、社会の変化に対応するため会社の再構築は行われています。
そして、多くは再構築をするためにまず人員を削減しなくてはならず、それによる“解雇”という結果が日本人の使うリストラという言葉になったわけです。まずは“解雇”について理解を深めましょう。
解雇の意味は3つに分類できる
解雇は普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3つに分類されます。
私は労働者側ですが、こういうことを考える際は経営者側になったつもりで考えることにしています。そうした方が理解しやすいですので、あなたも経営者になったつもりで読んでください。
この人とは働けないと思ったら「普通解雇」
どんな職場でもルールを設けます。例えば、お客様から受けた仕事をいつまでと定めていたとして、それを守らなかったり、適当に終わらせてお客様に提供したりする人がいたとします。当然お客様からの信用は失われますし、それを改善する気持ちがその人にないとしたら続けてもらうことは難しいです。そういう時に言い渡されるのが普通解雇です。
お金がなくて仕方なく行うのが「整理解雇」
100万円しか社員の給料に回せないとなった時に10人の社員を抱えていたら、どうあっても養いきれません。ここは心苦しいが5人減らすしかない!このように業績の悪化により止むを得ず行うのが整理解雇です。
悪いことされたら「懲戒解雇」
会社の物を盗む。警察沙汰の事件を起こす。そんな人は本人の都合は関係なく、ただ辞めてもらわないといけないですよね。そういう際には懲戒解雇です。もちろん退職金も払いません。
人員削減だけが「リストラ」じゃない
リストラは一般的には解雇を指して使われていますが、本来は再構築という意味の言葉の通り、解雇だけがその手段ではありません。
会社の中で、今までとは全く違う畑違いの部署に移らなくてはならなくなった時もリストラと言われます。
例えば、今後A事業を続けていても苦しいばかり、B事業は成長を続けていて人手不足。A事業を撤退してみんなB事業に移ってもらう方針に切り替えたとします。
これも言われた側は「辞める?異動する?」と問われたようなものなので人員削減には違いないですが、経営者側が何の手も打たずに整理解雇に踏み切る位ならそうならないように選択をさせてくれた方が良いのではないでしょうか。
実はリストラとは再構築という意味の言葉でそれは色々なやり方があるということがわかって頂けましたか?
会社が存続するために良い意味でのリストラだってあるということです。まぁ、リストラされないに越したことはないですけどね。
「リストラ」の意味まとめ
“リストラ”=“首になること”というイメージは変わりましたか?
では、まとめます。
- リストラはRestructuringの略語で再構築という意味
- 解雇は普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3つに分類される
- 解雇をしないリストラのやり方もある
今回はリストラの言葉そのものについて考えてみましたが、実際には働く側と雇う側の契約や権利の話にもなります。自分が対象になってしまったら是非思い出して頂いて、自分の会社のリストラがどういう理由で行われているかを考えてみると良いかもしれませんね。