NET(ネット)といえば、インターネットのことや網やスポーツ競技での仕切りのネットがまず思い浮かびます。GROSS(グロス)はと言えば、12ダースを1組とした単位、つまり12進法が思い浮かびます。
一般的にはそうですね。でもそれ以上の使い方は、まあ思い当たりません。ビジネス用語として使われる場面が多いようです。
NETとGROSSのビジネス用語としての意味
NETとは正味量・実質量のことで、GROSSとは全体量・総体量のことです。
例えば菓子などで、袋や缶・箱などの包装材や、乾燥剤などを除いた菓子自体の重量がネットで、日本語で言えば「正味」という意味になります。
つまり包んである袋や箱などの中身とは関係のない部分を除いた純粋な内容物の重量だけを言います。袋や箱などに「NET 100g」などと書いてありますね。これは「内容量100g」ということになります。
包装材や乾燥剤などをも含めた商品としての菓子全体の総重量がグロスです。風袋込みの全体の重さを意味します。
なぜこんな表記にするのか
普通に「100g」とすれば面倒くさくないし、ストレートに伝わってくるような気がしますが…。しかしこんなケースがあります。
例えば牡蛎やモツァレラチーズなどは袋の中に一緒に水がけっこうな量が入っています。ですから商品の実際の量がわからないので、中身とは関係のないものを引いた(緩衝材なども同様)重量を「NETg」と記載しているわけです。「正味 g」と書いてもらった方がわかりやすいのではないかとも思いますが。
そんな文句を言ってもスーパーやコンビニで売られているお菓子などのパッケージによく記載されているので覚えておきましょう。
ちなみに「net」は和声英語のような気もしますが、実は純粋の英語で、「網」という意味だけでなく「純量」や「正味」といった意味があり、英語圏で「net weight」で通じる言葉なのです。
「NET」に対して「GROSS」はこんな使い方
数量単位的にいうと1グロスは12ダースとなります。こちらの方が一般的な使い方じゃないかと思いますが。やはり、ビジネス的に言えば下記のようになります。
GROSSとは、NETと同様、和声英語ではなく英語で「gross weight」として通じる言葉です。小箱などの梱包材を含めたすべての重量のことになります。でも目にしたことはあまりありませんね。意味もよくわかりませんね。輸入商品の箱などにはよく書かれています。
具体的にはこんな例があります。シーフードミックスやむきえびなどは氷をつけて売られています。その理由などはさておき、「冷凍むきえび」がお店で買ったときは200グラムあったのに解凍したら160グラムしかなかった、ことありますよね。
それこそクレームものです。それを避けるためにgross200g、net160gという適切な表示が求められているのです。
その他の使い方は?
また、マーケティング業界では料金を表現する際に使われることが多くあります。広告費の原価と広告代理店の手数料を合算した金額のことをいいます。一般的にGROSSは「総量」「総計」という言葉からきているために、マーケティグ業界のような使い方をされています。
NETとGROSSの意味まとめ
- NETは正味量・実質量のこと。GROSSとは全体量・総体量のこと。
- 食品では正味以外に水が入っている商品があるので、中身のみの重量を示す必要がある
- NETは純粋の英語でnet weightとして通用する
- GROSSとは和声英語ではなく英語でgross weightで通用する。
- 商品によってはNETとGROSSの両表記が必ず必要となる
- マーケティング業界では、広告費の原価と手数料を合算した金額の区別に使用している
一般的な言葉でも、ビジネスの世界では独自の使い方があるものですね。それもまた業界によっても異なっている場合があります。
ビジネスマンにとって、このビジネス用語の意味や使い方を間違えたりすると、致命的な失敗をおかすおそれがあります。
これもまたビジネスマンにとっての“ご作法”なのでしょう。