政府が進めている“働き方改革”により、民間はすでに定年延長が決定しました。
そして公務員についても、段階的に65歳までの定年延長を目標にするべく、検討に入りました。国家公務員も地方公務員も対象ですから、当然警察官も対象になります。
公務員も年金が65歳からなので、65歳まで働ければ一番いいとは思うのですが、体を使うお仕事ですし心配な部分もありますよね。
今回は警察官の定年延長について考えてみたいと思います。
現状はどうなっているの?
現状では、定年は60歳で定年の延長はされていません。但し警察官のほとんどは地方公務員ですから、その県などによっては再任用(公務員の場合再雇用とは言いません)されて60歳を超えて勤務している方もいます。
元々の仕事が、例えば鑑識とか似顔絵を書くなどの専門職である場合や、地方の交番で後任の方が決められにくい等の場合には考慮されているようですね。
但しあくまでも一旦退職した後の再任用ですから、もちろん賃金は退職前のようには支払われません。
やっている仕事は同じなのに、半分の手取りで働かなくてはいけない場合もあるようです。
警察官の定年延長は税金の無駄か?
警察官に限らず“公務員の定年延長は税金の無駄”という意見が多いのも事実ですが、そうでしょうか?
難しい問題ではありますが、公務員にも色々あります。今、騒ぎになっている官僚たちの定年延長については、はっきり言って税金の無駄だと思いませんか?
固まった頭のトップはどんどん刷新していただいた方がいいでしょう。
でも、例えば地方の警察官としてコツコツと努力を怠らず、定年まで勤めあげてきた現場の方の力であるとか、鑑識でその道のエキスパートと呼ばれるような方の場合、反対にその経験を活かしていただいた方が良いのではないでしょうか?
再任用になったとしても、賃金が半分になってしまっては、モチベーションを保てと要求するのも酷です。
現場の力は定年延長で活かして欲しい、そのためには、一律の決定ではなく柔軟な判断が出来るような法律になれば良いと思います。
体力的に問題はないのか?
ただ、現場の力を活かすとすると、警察官や消防士の場合体力的な問題が生じてくるのでは?という疑問もあります。実際自衛隊員の定年は60歳よりも更に早い54歳ですし、これは体力的な問題を考慮しての事でしょう。
でもこれにも個人差があります。同じ年でも鍛え上げている60歳とメタボな60歳では全く違います。そしてこの問題は、体力テストのようなもので克服することが可能なのではないかと思います。
もしくは、体力は関係ない“指揮をとる”というような、現場の知識が必要な要職だってあるでしょう。
言い訳の効かない仕事
警察官の場合、普通の仕事ではありません。災害が起こった時、何か有事の際には最も働いていただかなくてはなりません。経験が浅いとか体力が続かなかったなどの言い訳は通用しない職業です。
そんな状況の中での勤務ですから、モチベーションを保つことも大事だと思います。“公務員は国民の奉仕者”と言われてはいますが、国民側が奉仕を求めて良いものではありません。
何かの時の助け以外にも、犯罪の抑止力にもなっています。負担の大きさから考えても、決して税金の無駄使いではないと思います。
まとめ
警察官の定年延長は難しい問題ではありますが
・現場経験が必要な場所では定年延長で人材を活かす。
・体力的な不安は、ある程度以上を求める工夫をする。
・奉仕の元となるモチベーションを保てるよう“再任用”ではなく“延長”で。
私たちの生活の安全を守っていただけるのであれば、税金の無駄遣いと言えません。職業を全うしていただくために、ある程度のレベルを保っていただく工夫をしながらの定年延長には意味があると考えます。