利点の対義語と類義語と使い方

言葉の意味

「利点」とは、どんな意味でしょう。小学館「言泉」によると「利益のある点。有利な点。また、長所」とあります。

「この方法は多くの利点がある」は、「利点」の一つの使い方ですね。そこで、この「利点」について対義語や類義語とともに深めてみました。

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「利点」は、「長所」と言い換えることができますが…

 同じく「言泉」によれば、「利点」は、人間ついては言わず、利用される物や考え方などについての評価を表す。」ことになっています。「長所」については、人間についても物についても他が及ばないよい点をいう。」となっています。

例えば「この部屋は狭いが、駅に近い利点がある」この「利点」を「長所」に入れ替えるとどうでしょうか? まあ通じないことはないですね

「あの人の“利点”は誰にでもやさしいところだ」などとは言いませんね「利点」ではなく長所であればりっぱな日本語です。「利点」は人間には使えないのですから。

「言泉」の説明は非常にわかりやすいですね。人のことを話題にしている時に、「利点」という単語が出ればあやしい日本語となるわけですね。

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「利点」の対義語

「利点」の対義語については、「利点」の意味をそのまま単純に逆にしてみると、「利益のない点。不利な点。また、短所」となります。これは対義語としてすっきり納まっている感じですね。

 また、「利点」は、「利益のある点。有利な点。」となっていますので、この意味からの「利点」の対義語は、「利益のある点がない」⇒「欠点」、「有利な点がない」または「短所」ということもできます。

 ここでこの「利点」の対義語である「欠点」と「短所」の使い方を見てみます。

「欠点」の意味は、「不十分な所。非難すべき所。短所。弱点。」で、「短所」は、「劣っている所。足りない点。」です。(例文)「短気が君の欠点だ」(例文)「おこりっぽいのが彼の短所だ」。「欠点」と「短所」を取り換えても通用します。これは当然か?

ところが、こんなおかしなこともあります。「利点」は人間には使えないことになっていましたよね。ということは対義語も人間には使えないというふうに理解するのが普通だと思います。ところが対義語の「欠点」と「短所」はとたんに人間に使えるようになるのです。

不思議ですね。なぜなのかはわかりません。

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「利点」の類義語

因みに「利点」には、類義語として「美点」があります。「すぐれた所。」という意味になります。これはほぼ「長所」と同義語です。「とりわけすぐれている所。得意な点。」となります。

ただし、「利点」とはややニュアンスが異なっていると思います。「美点」は美的な意味でのすぐれた点というところに重点があるように思われます。

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まとめ

  1. 「利点」と同義語であると思われる「長所」についての違い
  2. 「利点」の対義語の「短所」と「欠点」はほぼ同一の意味になる
  3. 「利点」は人間には使えないが、この対義語は人間に使えるようになる。
  4. 「利点」の類義語は「美点」

 言葉は生き物です。時代とともに変遷し、意味や使い方も変わっていきます。同時に地域ごとにも同様に変わっていきます。また、現代では使われていない古代の京都言葉が、遠く離れた地域で使われていたりすることもよく知られています。時には誤用が広まって、誤用ではなく正しい言葉になることもあります。

言葉の意味を厳密に使い分けることは必要ですが、言葉は変わっていくものだということも認識しておく必要がありますね。