みなさんは「対応」と「応対」の意味の違いを知っていますか?わたしは少し前まで知らずにどちらも使っていました…。
同じ漢字なので意味も同じだと思ったら、本来は違う意味の言葉なんです。明確な意味を理解して使い分けられている人は一体どれくらいいるのでしょうか。
ここではその「対応」と「応対」について説明していこうと思います。
間違えた使い方をしていませんか!?対応と応対の意味
まず簡単に対応と応対の意味を説明すると
対応=相手に応じて物事をすること
応対=相手になって受け答えすること
です。
一般的には対応という言葉の方が使われやすく、意味も対応と応対は同じように使われていると思いますが、実はちょっと意味が違うんですね。
対応とは何かに対して行動をすることなので、クレームが来た時に対応したり、何かハプニング(震災なども)が起きた時に対処することも対応といいます。
そして何かに対応するというのは、「対等」という意味でも使われますね。「このパソコンはこのモニターに対応している」などの使い方もされます。
対応は相手は人間だけではないですが、応対は対象になるのが人間だけになります。相手の話を聞き、態度で示すことを応対というのです。ビジネスシーンでは電話での応対はよくあることでしょう。
接客なども対応ではなく応対です。このあたり、間違えて使っていた方は非常に多いのではないでしょうか。
難易度高!対応や応対で間違いやすい言葉
対応も応対も使い分けの難しい言葉だということがわかっていただけたでしょうか。しかし今では、一般的に対応という言葉の方がメインで使われているので、もしかしたら数年後には応対と対応を使い分けられる人はいなくなってしまうかもしれませんね。
そして、ビジネス用語には他にも一般的に間違われて使われている言葉がたくさんあるのをご存知ですか?例えば電話で応対しているときに、間違えたビジネス用語を使っていて、相手に会社の印象を悪くさせてしまっていることもあるんです。
これは一部ですが、「とんでもございません」や「お名前を頂戴します」や「今、お時間よろしかったでしょうか」など。これらのセリフ、よく聞くと思いませんか?しかし全て間違えているんです。びっくりですよね。
正しくは、「とんでもないことでございます」「お名前をお知らせいただけますか」「今、お時間頂いてもよろしいでしょうか」となります。こういった少しの間違いでお客様やクライアントは「この会社は応対(対応)がダメだ」となってしまうこともあるんです。難しいですよね。
対応や応対で正しい日本語を使えるようになるには
そしてビジネスでの対応や応対には他にもあまり知られていない危険が潜んでいます。謙遜したつもりで話した言葉が、実は相手には上から目線に聞こえている言葉もあるんです。
例えば「ご苦労様です」や「了解です」や「おわかりいただけましたか?」など。普段上司やお客様に謙遜したつもりで使っていても、それは間違い。全て上から目線の言葉になるんです。
相手に対して失礼のないように対応や応対をすることがビジネスシーンでは好ましいことですが、あまり気にしすぎると堅苦しいイメージを持たれてしまうこともあります。相手との距離感も図りながら、失礼のない会話ができるようになると立派なビジネスマンと言えるのではないでしょうか。
謙遜語、丁寧語、謙譲語など、正しく使われてないことも増えてきているのは日本人としてちょっと悲しいことです。しかしこういった言葉を正しく使うというのは本当に大変ですよね。
最初は誰でも知らなくて当たり前。経験を積んで、少しずつ勉強をしながら正しい対応、応対ができるようになるといいでしょう。