「コンセプト」と「テーマ」はどちらも、とてもよく聞く言葉です。
そして両方とも私は普通に使っていました。「この本のテーマは・・」とか「この作品のコンセプトは・・」とか。でも私だけではなく、そんな具合に皆さんもよく使いませんか?
でもこの2つの言葉、私は恥ずかしながら、調べるまでは明確な違いを知りませんでした。
何となく、その場のニュアンスで使い分けているだけといったらいいでしょうか。知っている人が聞いていて笑われていたかもしれません。
でもこの2つの言葉は違う意味なんです。ここでは2つの言葉の違いを解説します。意外と皆さん知らないと思いますので、知っていて正しく使えば、ライバルに差をつけられるかもしれません。
「コンセプト」の意味
英語では「concept」で、そのままの意味は“概念”です。これまた聞いただけでは?となる難しい言葉かもしれません。辞書で引くと“物事の本質を表す思考形式”とか、もっとわかりにくい言葉が並んでいます。
でも、ごく簡単にかみ砕くと“そのものの本質を表す考え方”ということになります。“考え方”ですから“この企画のコンセプト”といったら“この企画の元になる考え方”という意味です。
そしてもう一歩踏み込んで“その企画をどう考えていくか?”ですから“企画の方向性や切り口”といった意味になります。企画をどう進めていくのかの元になる考え方ですね。
「テーマ」の意味
これはドイツ語で「thema」。意味は“題”“主題”“基本となる考え”です。それの題材になるものといった意味になります。
ですから“この企画のテーマ”と言ったらズバリ“この企画の題目”で、別の言い方をすれば“この企画で何を取り扱うのか?”ということです。
“テーマパーク”の“テーマ”は“何かを題材にした”です。日本ではどこのテーマパークも題(扱うもの)ははっきりしていますよね。
「コンセプト」と「テーマ」の違い
それぞれの意味をまず解説しました。違いはそれぞれの意味の中にヒントが隠されています。皆さん文章の基本である“5W1H”はご存知だと思います。いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)という6項目です。
まず「テーマ」は“何を取り扱うか?”ですから、英語では“What”の部分に当たります。それに比べて「コンセプト」は“どう考えていくか?”“どう取り扱うか?”です。これは“How”に当たるのです。
企画でいえば、企画の“テーマをどんなコンセプトで取り扱うか?”となりますから、企画の場合にまず先に来るのは“テーマ”なんですね。テーマを考えて、その題に沿ったコンセプトをいくつか考えて決定するといった流れになるのが普通です。
他にも例をあげてみると、某テーマパークの“テーマ”は皆さんご存知の通り名前にも入っているもの。“コンセプト”は“徹底的な夢の国”“夢がかなえられる場所”といった感じです。
まとめ
「コンセプト」と「テーマ」の違いをそれぞれの意味をご紹介したうえで、解説しました。同じようでいて違った意味だということがお分かりいただけたと思います。
・「コンセプト」はそのものの本質を表そうとする考え方で“どのように?”に当たる部分。
・「テーマ」は取り扱う題そのもので“何を?”に当たる部分。
・両者の違いは“何を”“どのように”考えるか?のそれぞれの部分で、企画の際には「テーマ」をどのような「コンセプト」で考えるのか?決めることになる。
これを知っていれば、仕事や会議で企画作成の際にも、恥をかくことなく堂々と使えると思います。雑学として、多人数で会話する中でもちょっと自慢できるかもしれません。ぜひ、周りに披露してみてください。