氷水に塩を入れるとさらに冷たくなるのはなぜ? 応用できる生活の知恵!!

氷水生活の知恵

連日の猛暑がつらいですね。

暑い日には冷たいものが欲しくなります。

氷をたくさん入れた麦茶にジュース、アイスクリームにシャーベット。食べていると気分が爽やかになって元気がわいてきます。

そのジュースに入れている氷をもっと冷たくする方法をご存じでしょうか。

それは食塩を振りかけることです。

小学生の頃に理科の実験で、水が凍る温度について学んだ覚えはありませんか?

理科の実験で氷の温度をさらに下げるために食塩を使うことはよくあります。

すぐできる上にかなり急激に温度が下がるので注意が必要ですが、うまく使いこなせれば自宅で手軽に涼をとることもできます。

氷水と塩の不思議な関係をご紹介します。

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氷の温度について

水は水温が0度になった瞬間から凍結し始めます。

よく冷えた水に氷を入れて出す、というのは喫茶店やレストランなどの飲食店でもおなじみの光景ですね。水はよく冷えていても水なので、入れられた氷はすぐさま溶けていきます。

少しずつ溶けていくのは、水が0度を保ちながら氷からの冷たさと外気からの暖かさで不安定になっているからです。

氷は外気から熱エネルギーを吸収しないと溶けません。しかしグラスの中の氷には限りがあるので、どんどん水がぬるくなっていくというわけですね。

水は100度以上で気体になって水蒸気と呼ばれ、0度以下で固体になって氷と呼ばれ、常温では液体になって水と呼ばれます。

氷になったあとは周囲の気温と同じ温度に近づいていきます。

家庭用冷蔵庫の冷凍庫は一般的にはマイナス18度から20度ぐらいなので、中で保存されている氷も同じ温度ということですね。

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氷は塩に触れるとマイナス20度ぐらいまで下がる

ところが、常温でも一瞬で氷水を冷凍庫の中のような温度にする方法があります。

それは実に簡単で、食塩を振りかけるだけです。

塩を振りかけられた氷は急激に溶けて水になっていきますが、マイナス20度近くなります。

マイナス20度になるのに溶けるのはなぜかというと、塩の成分である塩化ナトリウムが化学反応を起こしているからです。

塩化ナトリウムはナトリウムに塩素が結合した物質です。これが水に溶けると、塩化ナトリウム分子が元通りの塩素原子とナトリウム原子に分離します。

氷に振りかけた瞬間から化学反応が始まります。

実は塩は水に溶ける瞬間に周囲の熱エネルギーを奪っていくので、氷が水に溶けるために周囲の熱エネルギーを奪うのと平行して相乗効果が起こっています。だから塩をかけられると氷はどんどん溶けていきます。

そして溶けた原子が、冷たい水の分子が氷として再結合するのを邪魔するため、冷たいのに水になる一方という現象が起こるわけですね。

多めに食塩をなめると少し冷たさを感じることがありますが、それには科学的根拠があったということです。

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応用すると生活が便利にできる

氷に塩をかけた後に、素肌でさわるのは少々危険です。化学反応が起こっている最中に、口に入れるのもおすすめしません。

濃い食塩水はマイナス20度を下回ることもあるので、凍傷になる恐れがあります。

とてもつめたいので暑い日に体に当てたくなりますが、危険なのでやめましょう。

しかし、食べ物を冷やすときに応用できる夏に便利な方法があるので、そちらをご紹介します。

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アイスを手早く作れる

冷凍庫を使うよりも早く、手作りアイスクリームを作ることができます。

容器に大量の氷と大量の塩を加えて、アイスクリームの材料を入れた袋を沈めてよく混ぜた後、10分置くだけでできあがりです。

シャーベット状になっていておいしいです。

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缶ビールやペットボトル飲料をすぐ冷やせる

買ってきたばかりのビールやペットボトルを、数分で近々に冷たくできます。

冷凍庫に入れるよりも早いのでおすすめです。

一番早い方法は、熱伝導率のいい缶飲料で冷やすことです。

氷を入れた容器に食塩を適量振りかけて、その表面に缶飲料を横たえて缶を手で回すだけです。2分程度で中の飲み物がキンキンに冷えます。

回しているうちにあまりにも冷たくて手も冷えてきますが、ゴム手袋や軍手をしながらやると楽です。ビールや炭酸飲料でも吹きこぼれないのでおすすめです。

ただ、あまりにも急に冷えるのでやりすぎると凍ってしまいます。

2分程度にとどめておきましょう。

また、氷水に食塩を混ぜたものに缶飲料やペットボトル飲料を沈めておくと、普通の氷水よりも早く冷やすこともできます。

とても冷たいので注意してくださいね。

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氷だけでなく雪もすぐ溶かせる

真冬の時期に道路が凍って困ったとき、塩化カルシウムを道路に撒くことがありますね。

食塩でも代用できます。

いろいろな場面で氷や雪を溶かしたくて困ったときに、試してみてはいかがでしょうか。

塩分があるので錆などには注意しましょう。

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まとめ

氷結晶

  1. 氷は水が0度になった瞬間から凍り始め、それ以降は周囲の気温に近くなる。
  2. 氷は塩に触れると急激にとけてマイナス20度ぐらいまで下がる
  3. 応用すると生活のさまざまな場面で活用できる
  4. アイスを手早く作れる
  5. 缶ビールやペットボトル飲料をすぐ冷やせる
  6. 氷だけでなく雪もすぐ溶かせる

生活の知恵としても役立つ氷と塩の意外な関係でした。

快適に過ごすのに役立ちそうですね。