遺書というと、自らの手で命を絶つ時に書き遺されているものという印象があります。人が亡くなる前に書いておくものとして、遺言書というものもありますが、この2つは同じ意味があるのでしょうか。
遺書と遺言書の違い
同じような言葉が使われているので、ここで遺書と遺言書の違いを説明しておきます。
遺書の意味
遺書は自分が亡くなることを前提として書くもので、そういう人は遺言書を書きません
何かしら止むを得ない出来事に直面して生きる気力がなくなり、自殺するような人が遺書を書きます。
遺言書の意味
一方、遺言書は寿命が近くなってきたり、余命がわずかになってきた人に対して身内が書いておくことを勧めるものです。
例えば、高齢になった親に対し、財産分与などを遺言書の中で記しておいてもらうことで、家族間の争い事を事前に防ぐことができるのです。
遺書は、自ら命を絶つ前に遺していく人に自分の気持ちを伝えたい時に書くものです。一方、遺言書は、両親などが亡くなった時、残された家族が困らないように書いておいてもらうものという違いがあります。
この2つの違いが分かったところで、今回は遺言書に書くべきことをご紹介していきます。
果たせなかった無念の思いを遺言書に書く
学生さんがいじめに遭って、自殺に追い込まれてしまう事件が後を絶ちません。自殺に至るまでに家庭や学校で何かできることはなかったのか毎回考えさせられる事件です。
まだ10代の若さで、これから色々な可能性を秘めた学生が自ら命を絶つというのは、相当辛い出来事があり、それは自殺の怖ささえも上回るものだったと想像がつきます。特にいじめに遭っていた子は、誰にも相談できまま、1人で苦しんでいるケースは少なくないのです。
自殺の一例を挙げてみましたが、もしあなたが自殺という選択肢を取らなければならない程辛いことがあったら、その思いを遺書の中に記しておきましょう。
遺された人への感謝の気持ち
あなたが遺書を書かなければいけない程辛いことがあっても、あなたの生を精いっぱい受け止めてきてくれた人がいるはずです。そういう人たちは、あなたの死を受け入れることができず、辛い思いを何年も続けていくのです。
たとえ、その人たちに落ち度はなかったとしても、大事なあなたが自殺したことを自分達にも責任があると責めるかもしれません。それはあまりにも辛く悲しいことです。
もし、あなたが自殺したいと考えて遺書を書く時は、遺された人への感謝の気持ちを書いてあげてください。そして、できれば自分が自殺したことの理由も教えてあげてください。
あなたを失って悲しんでいる人の気持ちを少しでも楽にしてあげられたら、遺された人たちは希望をもって生きられるはずです。
遺された人たちの先行きを気にする
あなたがこの世を去った後も、家族や周囲であなたを支えてきてくれた人の人生は続いていきます。でも、あなたは遺書を書く時、遺された人のことを思う余裕はないかもしれません。
でも、遺された人はずっとあなたのことを思って生きていくことでしょう。時にはあなたの後を追いたくなることもあるかもしれません。遺書を書く時、遺された人たちの先行きを気にしてあげたら、遺された人には励みになります。
生きていると、色々なことが起こります。病気を患ったり、災害に見舞われたりすることもあるでしょう。あなたにとってはもう関係のないことかもしれませんが、遺された人たちの先行きを気にする言葉を遺書の中に入れてあげてはいかがでしょうか。
まとめ
遺書に書くべきことについてご紹介してきました。できれば、遺書を書く場面は避けたいところですが、色々ある人生の中ではそのような決断をしなければならない時もあるかもしれません。遺書を書く前に、書く内容について慎重に考えてみてください。なぜならば、それが遺された人たちへの大切な最後のメッセージとなるからです。