家族の中で、高齢者にはどうせ使いこなせないからガラケーのままで十分だと思っている方は多くないでしょうか?
この記事では、高齢者の、日常のリスク管理ツールとしての視点でスマホの必要について考えてみます。
ハードウェアから見た、ガラケーからスマホに乗り換えるメリット
ガラケーとスマホとを機能の面で比較した時、両者には圧倒的な差があります。定性的には、ガラケーは基本的にコンパクトになった電話器であるのに対して、スマホはコンピュータに電話機能が付与されたもの、と捉えることができます。
すなわち、スマホは様々な機能が備わっていて、導入するアプリ次第でどのようなことできます。スマホのハードウェアの観点でその優位性を考えると、(1) 大きな画面、(2) 高解像度の写真撮影が可能なレンズ、(3) GPSセンサ、(4) 場合によっては、ガラケーよりも安いランニングコスト、あたりでしょう。
高齢者の視点でスマホが必要かみてみましょう
(1)ガラケーよりもかなり大きな画面であることは、文字やボタンの大きさを大きくすることができ、慣れてしまえば、操作しやすいと感じるようになるでしょう。
(2)LINE等でテキストメッセージの交換に楽しみを感じるようになれば、普段の様子を知らせるためにきれいな写真を撮影したくなるものでしょう。これは年齢に関係ないことだと思います。
(3)一見、GPSは使う用途がないように思いますが、外出した時に地図と併用するとで自分の現在位置が分かります。例えば、知らない町で道にまよった時や、登山の時などでGPSのありがたさに頭が下がる思いになることでしょう。
(4)これだけの機能が付いてガラケーより安くなるのであれば、否定する人はいないでしょう。多機能で安価。それだけでも十分にスマホに移行するメリットがあると思います。
いざという時に使えるか?という視点でスマホを見直してみる
次に、特に高齢者にとって、いざという時にスマホがどれくらいに役立つかとの視点で見直してみます。
実はこれは、スマホに備わっているハードウェアを使いこなすソフトウェアが存在するかどうかにかかっている話です。なぜなら、既に書いたように、スマホは多彩な機能を兼ね備えたコンピュータだからです。分かりやすい例えとして、デスクトップコンピュータでも、どのようなソフトウェアを導入するかによってできることが大きく変わる、というのと同じです。
幸い、スマホのアプリストアにアクセスすれば、有用なアプリを見つけることができます。例えば、夕暮れに散歩している時に、道に迷ったとします。この場合にはGPSとマップとを併用して、現在位置を把握することができます。また、メッセージを添えて一回だけタップするだけで、予め登録した人に現在地の情報を含むメールを送るといったアプリもあります(無償でできる)。
高齢者が歩行中に足を怪我してしまった時、高解像度のカメラを使って、ビデオ通話で自分の怪我の状態をリアルタイムで家族と共有するといったことも可能です(無償でできる)。
将来的には、スマホのビデオ通話機能が遠隔医療のにも役立つと思われます。このような有用性を考えれば、高齢者にとって、というよりも家族全体にとって、スマホは必要であると思います。
リスクマネージメントの一つのツールとして
アプリの導入や細かい設定を行うことは、不得意であれば家族やキャリア店舗のサポートスタッフに助けて貰えばいい話で、家族の高齢者が、いざという時に、周辺状況を含めた情報を、家族もしくは周辺の人々に送信することで、最低限の時間で必要な助けが得られることにつながると思います。
家族全員で集まって、このようなことを事前に理解し認識を共有することができていれば、高齢者もスマホを片手に安心して外出したりできるようになるでしょう。平常時にこそ、スマホでどうやって助けを呼ぶのかなど、スマホ側で準備をして、非常時のリスクに備えることが重要だと思います。
まとめ
日常のリスク管理ツールとしての視点で、高齢者へのスマホの必要性について考えました。
・スマホは、ガラケーよりも安価で、多機能であり、高齢者でも楽しめるのでガラケーから移行するメリットはある。
・スマホはいざという時に役立つツールとなるため、高齢者にとって必要です。
・高齢者も、スマホでできることを整理し、いざという時のために備えることが重要です。
普段使いに加えて、いざという時にスマホは命綱になり得る。従って、高齢者のリスク管理の観点からスマホは必要だと考えます。