祖父母にとって孫の存在はとても可愛くて、かけがいのないものです。とはいえ、近くで世話をすることもなかなかできないので、自分の財産を孫のために積み立てしたいと考えることがあると思います。
しかし、孫のために積み立てすることは、簡単にできないのです。そこで、孫のために自分のお金をきちんと遺すために事前にチェックしておきたい3つのことをご紹介します。
孫に積み立てする時は贈与の事実を知らせること!
祖父母が孫のために積み立てすることは、とても素敵なことだと思います。孫をびっくりさせようとして、積み立てしていることを知らせずにしていることがあるかもしれません。意図せずやってしまいがちなことですが、これはNGなのです。
私の父親も、私の息子にお金を遺そうと積み立てをしていたことがありました。息子名義の通帳を作り、そこに定期的に振込していると聞いていたので、有り難く思っていたのです。
ある日、私の母親が税金相談会に参加した際、息子名義の通帳を作っても息子のものにならない場合があると聞き、慌てて調べることにしたのです。
私の父親は息子名義で通帳を作り、その口座に預金を振り込んでいました。でも、実際に息子がその事実を知らなければ、父親の財産になるということだったのです。
名義預金だと相続金として認められない
孫に贈与の事実を知らせなくてはいけないことを知り、孫に積み立てする方法について調べました。
孫の名義で口座を作り、孫に贈与したいと思っていても、孫が贈与の事実を知らなければ贈与にはならないとのこと。たとえ、贈与税の申告をしていても同じことです。
この場合、贈与ではなく、ただ人の名義を借りて口座を作ったことに過ぎない「名義預金」になるそうです。この事実を知り、私の父親は愕然としていました。家族間でのお金のやり取りだからもっと簡単なものだと考えていたようです。
名義預金は、たとえ孫の名義で口座を開設していても、預金を遺した本人がなんの目的で貯めていたのか明確でないため、本人の財産とみされてしまうとのことでした。
名義預金のことは聞いたことがありましたが、詳しい内容については知る機会がありませんでした。これを機に、更に名義預金について調べてみることにしたのです。
名義預金にしないために
名義預金について簡単にいうなら、今回の場合ように、孫の名義で口座開設されていながら、私の父親がしていた預金ということになります。
税務署に名義預金とみなされてしまっては、孫名義の口座にせっせとお金を貯めていても、そのお金を孫に贈与することはできません。
それでは父親の努力が無になってしまいます。でも、名義預金にしない方法はあるのです。
それは、孫名義の口座や通帳、印鑑を誰が管理しているかということです。
これを私の父親でなく、孫本人がしていることが大切になります。印鑑も孫のものを作っておきましょう。更に、孫本人が自由に口座を利用できることも大切なポイントです。
贈与は双方の意思が一致しないと成立しません。もらう側がいらないと言えば、成立しないのです。成立した場合は、贈与の事実を贈与契約書で残しておくことも大切です。また、贈与する現金は、通帳に記帳してきちんと記録しておきましょう。
孫に積み立てしたいだけなのに、色々な手続きがあって面倒だと感じるかもしれません。でも、きちん対応しないと税務署に贈与と認められず、その口座のお金は本人の財産となります。本人の財産となれば、相続税がかかるので注意したいところです。
まとめ
子供を育てるのはお金がかかるので、祖父母としては孫に自分のお金を遺して、有意義に使って欲しいと考えるものです。家族だから簡単にお金のやり取りができると思いきや、調べてみたらそうでないことが分かりました。
実際その立場になってみないと分からないこともありますが、今回の件ではかなり勉強になりました。