人にものを教える状況下、教える側が、教えられる側の飲み込みの悪さに閉口し、心の中にイライラとした感情が湧いたことはありませんか。場合によっては、思わず語気を強めてしまい、教わる側にもイライラが伝染して、喧嘩に発展しかねない状況に陥った人もいるのではないでしょうか。
これは、初めてスマホを手にした母親(あるいは父親)に、息子(あるいは娘)がその使い方を教えるという状況下でよくある光景だそうです。心当たりがある方は多いのではないでしょうか。この記事では、そんなイライラ感に着目して原因と対策とについて書き、より円滑なコミュニケーションにするためのヒントを書いてみたいと思います。
スマホを教えるときのイライラはなぜ起こる?
さて、上で述べたスマホの使い方を教える場面で生じるイライラ感について、それぞれの立場で考察します。
基本的に、どちらもスマホが使えるようにできるようになってほしい(なりたい)気持ちでいるのは同じです。しかし、スマホの使い方を教える立場の息子は、LINEやスケジュール帳など日々の生活をサポートする様々なアプリを使いこなし、操作に長けています。従って、教えればできるはずだ、という意識で話をします。
他方、スマホに触ることそのものが初めての母は、今まで使った経験がない訳ですから、直ぐに使えるようになるとは思えない、と不安を意識した状態で話を聞きます。
この状態で話が始まると、なかなか思うようには進みません。息子はきちんと説明しているのに、思うように操作ができない母を見て、少しずつイライラ感が湧いてきます。他方、母も、初めての事を前にしてなかなかうまくいかず、息子のイライラ感を感じて、気まずい雰囲気になってしまいます。
なぜでしょうか。教える側(息子)からすると、「なんで、こんな簡単なことができないのだろう?ここタップして、入力するだけじゃないか?」というような思いでいるのに対し、教わる側は「私は使うの初めてなんだから、もっと分かる言葉でゆっくり言ってくれないとできないに決まってるでしょ!」という思いになっています。お互い、スマホが使えるようになる状態と違う気持ちを持ち、そのギャップがイライラ感に至っているのです。
相手の立場で理解できるような言葉で教えているか?
よく、「小学校の子供でも分かるような説明ができず、専門用語で固められているなら、本当の意味でお前は理解できていない・」とよく言われます。
スマホの使い方の説明でも同じです。「ここをスワイプして・・・」という言葉も、あまり考えることなく使ってしまいますが、「スワイプ」が初めての人には、理解できるはずがありません。入り口でつまづけばその先は更は言わずもがなで、教えられる側の不満感を強くしてしまうだけです。
両者の意識のギャップをなくすためには、常に平易な表現で相手に説明する。シンプルですが、結構難しいです。
スマホに慣れていない両親には極力平易な言葉で教える
コンピュータの操作に比べれば、スマホの操作は非常に単純で、かつ直感的です。しかし、いざスマホを使ったことがない人に説明する段になると、自然と専門用語で固めた説明になりがちです。専門用語は短い言葉で伝えられるのに対して、平易な言葉で説明するためには、どうしても長くなるからです。
相手は何も知らない、との立場に立ち、説明しようとしている表現を一旦頭の中で咀嚼して、誰にでも理解できるシンプルな言葉に置き換えます。最初は難しいと感じますが、毎回意識的に行うことにより少しずつと慣れてくると思います。
それが実現できると、意識のギャップが解消され、息子と母とのコミュニケーションは円滑になるでしょう。今回お話した伝え方は、上記で想定したスマホの使い方の説明にはとどまらず、このようなケースに満ち溢れている社会において、一つの必須技術となって役立ちます。
両親にスマホを教えるときのイライラ対処法まとめ
今回はスマホの使い方を教えるという状況下で、お互いがイライラ感を感じる原因について考察し、その対策を考えました。
- 教える側と教えられる側とでベースの意識の違いからイライラ感が生まれる。
- 何も知らない人に、専門用語を使って説明しない方がよい。
- 教える側が専門用語を咀嚼して平易な表現にして説明する。
説明する側がこのような配慮をして説明すれば、受け手の理解も早まり、円滑なコミュニケーションになると思います。その後の長い人生で絶対に役立つ「技術」ですので、積極的にチャレンジしてみましょう。